こんにちは!韓国在住日本人のケンです。

先日、「82年生まれ、キム ジヨン」(82년생 김지영)という映画を妻と観に行って来ました。

実は、この映画、公開5日目にして、観客が100万人を突破したという大ヒット作品なんですね。

今回は、この映画のあらすじや人気の理由、そして映画を観た感想をお伝えしていきます。

「82年生まれ、キム ジヨン」のあらすじ

ヒロインのキム・ジヨン(チョン・ユミ)は、サラリーマンの夫と1歳半の娘と暮らしている専業主婦です。

一見、普通に見えるキム・ジヨンでしたが、実は、彼女は、突然、別人が憑依するという精神的な病を抱えていたのでした

夫の実家では、実母の母の口調で姑に説教を始め、夫には、夫のことが好きだった大学の先輩の口調で話しかけたりして、周囲の人達を凍り付かせます。

しかし、ジヨン本人は、別人が憑依したことに気付いておらず、元に戻った後、憑依があった時のことは全く覚えていないのでした。

そんなジヨンを心配する夫のテヒョン(コン・ユ)は、ジヨンに内緒で精神科の先生に相談します。

テヒョンは、もし、ジヨンの症状を本人に伝えると、ジヨンが傷ついてしまうことを恐れ、ただ、妻が精神的な負担を受けないよう気遣うのでした。

そんな夫のテヒョンに対して、ジヨンは大丈夫だと言い続けるのですが・・・

そして、作品の中では、ジヨンの幼少時代からの様子が映し出されていきます。

彼女の半生は、女性として生まれたが故に、抑圧され続けて来たものであり、それが彼女の精神をジワリジワリと蝕んでいたのでした。

「82年生まれ、キム ジヨン」の原作は大ベストセラー

この映画は、同じ名前の小説「82年生まれ、キム ジヨン」が原作となっていますが、小説は、韓国で100万部を突破した作品です

日本語にも訳されて出版されたところ、海外の文学作品としては異例の13万部を突破し、ベトナム、イギリスと、イタリア、フランス、スペインなど16か国で翻訳されることも決定されました。

この作品のテーマは、男尊女卑の文化が根強く受ける韓国社会で女性が受ける様々な困難や差別です。

作品の中では、キム・ジヨンという韓国で最も典型的な女性の名前を持つ主人公を登場させながら、女性達が味わって来た理不尽で不平等な扱いを丁寧に描いていく中で、多くの共感を生んでいったのでした。

そして、「82年生まれ、キム ジヨン」は、韓国での#me too運動の引き金になったり、「フェミニズムの小説」だとも言われたりして、社会問題化しました

例えば、韓国の人気アイドルグループ「レッドベルベット」のアイリーンが「読んだ」と発言したとだけで、「アイリーンはフェミニストだ」と大炎上するぐらいだったのです。

そういった背景もあって、この映画は、上映される前から、大きな期待がかかる一方で、公開される前から低評価のレビューが付いたり、キャスティングが発表されると主演のチョン・ユミが非難を浴びたりするなど、何かと話題になっていたんですね。

映画「82年生まれ、キム ジヨン」の感想

映画「82年生まれ、キム ジヨン」は、一人の女性の日常がある意味、淡々と描かれた作品です。

派手なアクションシーンがある訳でもくなく、たくさんのエキストラが動員されている訳でもありません。

ただ、キム ジヨンが味わって来た疲れ、虚無感、孤独感、喪失案など、女性ならではの辛い境遇が描かれている中で、ジヨンの気持ちに共感して、涙を流す方がたくさんいらっしゃいました。

「82年生まれ、キム ジヨン」の小説は、世界中で抑圧を受ける女性の共感を呼んで来た作品なので、そういった共感力は映画の中にも引き継がれているのだと思います

かくいう私も、男ではありましたが、時折、共感できる部分はいろいろあったので、「こういうことを感じているのは自分だけじゃないんだなあ」と少し慰められたりもしました。

作品に感じた違和感

ただ、その一方で、個人的には少し違和感を覚えたところもあります。

夫のテヒョンは、とても優しく、ジヨンのことを気遣い、育児も積極的に手伝おうとします。

(というか、演じているのが、コン・ウですから、いい人オーラ全開です^^)

実家の母親もそれほど変な姑ではありません。

また、子供は娘さん一人で、夜泣きをするとか、言うことを聞かないとかということは決してなく、とても素直です。

ジヨンのお母さんも、とても愛情深い人です。

客観的に見れば、ジヨンの環境は本当に恵まれているんですね。

実際、映画を観て同じような違和感を覚えた人は私だけではなかったみたいで、「こんなに恵まれた環境なのに何で?」と思った人は多いようです。

そこら辺が、「82年生まれ、キム ジヨン」が、韓国で賛否両論になっている理由でもあるようです。

それでも女性の大変さは変わらない!?

しかし、それでも、子供の数や周りの人に関係なく、女性であるということだけで抑圧されるような思いをして、出産をすると仕事が出来なくなり、元のキャリアに戻れなくなってしまうということ自体が、女性にとっては大変なことなのだと思います。

実際、主役のキム ジヨンを演じたチョン・ユミの虚しさと切なさを上手く表現した演技は、すごく説得力がありました

そういった意味で、女性がこの映画を観ると、多かれ少なかれ、作品のどこかで共感をして心がふっと軽くなるのかなと思います。

ですから、映画「82年生まれ、キム ジヨン」は、女性の方に、是非、一度、観て頂きたい韓国映画です。

もちろん、この映画を観た後、子供を3人も育てて来た妻に労いの言葉をかけたのは言うまでもありませんm(__)m

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