※この記事にはプロモーションが含まれています。
こんにちは!韓国在住日本人のケンです。
韓国では、先日、マザー(韓国語では“마더”)という韓国ドラマが最終回を迎えました。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、このドラマは、日本で、松雪泰子と芦田愛菜ちゃんが共演したMotherのリメーク版です。
でも、韓国版のマザーのあらすじは日本版と細かい部分で違いますし、最終回での結末がいかにも韓国的だったので、ご紹介していきます。
基本的なあらすじは日本のMotherとの同じ
出典:https://limiter.co.kr/715
韓国ドラマのマザーのあらすじは、基本的な部分では日本版と同じです。
母親から虐待を受けてゴミ袋に入れられて放置していた女の子を、同じような境遇を持っていた女性が発見して誘拐し、一緒に逃亡生活を送る。
二人の絆は本物の母子のように深まっていくが、二人が一緒にいられる日は長く続かず、女の子を連れていった女性は、誘拐犯として捕まってしまう。
こんな感じで、お話は続いていきます。
ちなみに、韓国版では、主人公の女性スジンを韓国の実力派女優であるイ・ボヨンが、そして、女の子ヘナは、400人の子役の中からオーディションで選ばれたホ・ユルが演じています。
日本のMotherとの違い
しかし、韓国版のマザーと日本版のMotherでは、いろいろ違う部分も出て来るんですね。
例えば、韓国版のマザーでは、ヘナが殺人犯に捕まって危うく殺されそうになります。
そして、その殺人犯も、実は、親から虐待を受け、母親が自殺をしてしまったという深い心の闇を持っていたのです。
韓国版のあらすじは、日本に比べて、より強烈になっている部分も多いかなと感じています。
最終回(結末)が決定的に違った
そして、韓国版のマザーと日本版のMotherの決定的な違いは最終回でした。
最後の名セリフは同じだけど
スジンが捕まり、ヘナが養護施設に行った後、ヘナがスジンに電話を掛けて、日本版でも有名なあの名セリフ
「私をもう一度誘拐して!」
と涙を流しながら、お願いし、一人で会いに行くところまでは同じなのですが・・・
日本のMotherでは、松雪泰子演じる女性が、ヘナを施設に戻すのですが、その際に手紙を渡し、また12年後に会おうという思いを伝えます。
そして、韓国版のマザーでも、スジンは、自分に会いに来たヘナを一度は施設に戻します。
結末が日本と全然違う
しかし、2年の月日が経つ中で、スジンは「ヘナを何とか養子として迎えることは出来ないか」と考えるようになるのです。
そして、弁護士に相談して、法的にヘナを養子として迎える方法を見つけます。
さらにメディア関係の仕事をしている友人を通じて、事件に到った経緯とヘナに対する思いをテレビで伝え、世論を味方に付けていきます。
そんな彼女の懸命な努力が実って、スジンはヘナを正式に養子として迎えること成功し、ハッピーエンドを迎えるのでした。
韓国版のマザーの価値観
ドラマの中で、ヘナを養子として迎えようと努力していたスジンは、スジンの行為に反感を持っていた施設の女性に、こんなセリフを言います。
「一度、母になったら、その子を忘れることは出来ないんです。」
もちろん、そういった思いは日本でも共通していると思うのですが・・・
韓国では、感情が既存のルールの枠を超えてしまう時があります。
韓国版のマザーでも、
- スジンは誘拐犯だからヘナに会ってもいけない
- でもスジンとヘナがお互いを思う心は本物
- じゃあ、何とか二人が親子になれる道を見つけよう
という方向に話は進んで行きます。
日本の場合だと、会えないというルールがあれば、そのルールを守りながら、それでもいつか会おうという強い気持ちは持ち続ける人が多いです。
でも、この韓国版のマザーMを作った人も含めて、多くの韓国人達は、そういうやり方は理解できないのかもしれません。
決して、どちらの考え方が良いという話ではなく、これが文化の違いなんだと思います。
韓国でマザーがリメークされた背景
実際、リメークという話を聞くと、興ざめする人も多いかもしれません。
ただ、韓国版のマザーは、ドラマとしては非常に見応えがありましたし、妻も毎回ウルウル泣いていました。
実は、マザーが韓国でリメークされたというのは、韓国のある事情があったからだと言われています。
その事情とは、最近の韓国は、家族内の虐待や事件が非常に増えているという現実です。
そういった社会に家族の絆とは何か、問いかけるドラマが必要だったというのです。
韓国では、整形文化が発達し、外見に異常にこだわる人達がどんどん増えています。
しかし、その一方で、心のあり方を軽視する人が増えているのではないかと危惧する気持ちが個人的にはあります。
日本でも児童虐待が増える社会に警鐘を鳴らすような形で、マザーが作られたと思うのですが、こういったメッセージ性の強いドラマは、世界中でどんどんリメークされたらいいんじゃないかなと思います。
ちなみに、韓国では、「いま、会いにゆきます」のリメーク版が公開されようとしていますが、このドラマも家族の絆を描いたものですよね。
最近、韓国は日本のリメーク多いなーと思いつつも、その中で日本の文化が良い意味で伝わればいいのかもしれません。
スポンサーリンク
広告
スポンサーリンク
母性のある話は何処か救いがありますね。
実際のところ腹を痛めて産んだ筈の我が子を躊躇いなくあやめてしまうろくでなしもいますし、産んで直ぐに乳児をビニール袋に包んでゴミ箱やロッカーに入れて捨ててしまう人非人もいます。
中々子宝に恵まれず悩み苦しむ人が居る一方で、平気で人の命を粗末にするばか者がいる。なんとも言えない矛盾理不尽を感じます。
cdaさん
コメントありがとうございます。
最近の子供にまつわるニュースを見ているといろいろな意味で考えさせられますよね。
やはり、家庭が人格を形成していく基本となるので、社会全体が良い方向に向かっていけばと思っています。
はじめまして。
最近、ケンさんのブログをみつけて、とても楽しく拝見しました。
私は、子どもさん相手(主に発達障害児)に仕事をしていたこともあり、こういうドラマに興味があります。
話はそれるのですが、何年か前に、韓国人研究者の有名な論文をみて、私もそう感じていた!と思ったことがあります。その研究は、高陽市をフィールドにしたものですが、38人に1人の割合で、自閉症スペクトラムの児童がいた。という内容でした。
ふと、韓国での特別支援教育はどうなのかな?とも思ったことがあります。実際、こちらでも、クラスに、2、3人いる感覚です。
教育とは、良い学校に入る。お利口さんをつくる。ことではなく、その子その子の個性を認め伸ばし、人格を育むことじゃないかなぁ。などと思います。
児童養護施設に縁があったことがありますが、虐待を受けた子どもは成長していく過程で様々な困難を抱えます。
マザー というドラマの話題から、韓国や日本の子ども達を取り巻く状況はどうかな。と思いました。
長々とごめんなさいm(__)m
のんさん
コメントありがとうございます。
楽しく読んで頂いてとても光栄です^^
韓国では、そういったお子さん達がいた場合は、別の学校に通うことなります。
ただ、特別支援教育を行っているような学校は、それでほど数が多くないので、バスで通ったりしているのが現状のようです。
あと、少し話がそれますが、日本だと日本語の出来ない外国人の子供が学校に来ると、担当の先生が別途ついたりして下さいますが、韓国の学校ではそういったフォローは一切ありません。
日本だと、学校の先生が、勉強を教えるだけでなく、部活の指導や、体育祭、文化祭、合唱コンクールなどいろいろな面でやることがたくさんありますが、韓国の学校の先生は、勉強を教えることに特化している印象があります。
ですから教育という観点から見れば、私は日本の子供たちの方が、韓国の子供たちよりも恵まれた環境にあるのかなあって思います。
国によって事情はいろいろ違いますよね^^
こんにちは、
私もこのドラマ、観ました。 でも、日本版は観ていないんですよね。 だから、比較は出来ないのですが、やはり、文化の違いで、ストーリー、結末も違ってたんですね。
児童虐待は、どこの国とは言わず、今や全世界の問題ですね。 非常に悲しい事です。 少しでも解決されるといいのですが・・・
最近、終わった「Misty」は最近の韓ドラでは、良くできたドラマだと思いました。 それから「Cross」も良かったですよ!
tokkanusaさん
コメントありがとうございます。
リアルタイムで見ていらっしゃったんですね!
私自身、日本版はほとんど見ていなかったのですが、韓国版を見たあと、日本版のあらすじをいろいろチェックしてみたら、アレって感じでした^^
Mistyも妻がハマっていたので、特に後半から見ていましたよ!
途中までは非常に面白かったのですが、最後がカオス状態だったので・・・
やっぱりドラマって最終回でどう終わるかが重要だなって思います^^;