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韓国 最低賃金

韓国では2018年から最低賃金を時給7,530ウォン(約750円)と2017年の6,470ウォン(約640円)に比べて、16.4%アップする制度が開始されました。

(最近の韓国では平昌オリンピックのニュース一色ですが、つい先日までは、最低賃金のニュースが多かったです)

しかし、この最低賃金問題は、悪い意味で影響がいろいろ出ていますし、一般的なニュースではなかなか取り上げられない隠れた問題点もあります

そこで、今回は韓国に住みながら感じる最低賃金の問題点についてお伝えしていきます。

ニュースで取り上げられている問題

まず、ニュースで取り上げられている問題として、最低賃金をアップした結果、以下のような影響が出てしまっていると言われています。

  • ボーナスをカット
  • 手当をカット
  • 一部の労働者をリストラ(解雇)
  • 商品価格の更なる上昇

もちろん、私も韓国の時給は安すぎると思っていましたが、裏を返せば、中小の会社を経営している人達もそれだけ厳しい状況があるということです。

なので、今回の最低賃金のアップに対しては、労働者だけでなく、中小企業の経営者からも、かなり不満の声が上がっていると聞いています。

ニュースであまり取り上げられない隠れた問題

ただ、最低賃金に関してはニュースで一般的に取り上げられない隠れた問題もあります。

それは、韓国の中小企業・零細企業には、最低賃金のルールを守らない会社がたくさんあるということです。

実際、韓国で求人情報を見ていると、給与を公開しているところもありますが、公開していないところも結構あります。

それはもしかしたら、最低賃金の条件を満たしていない会社だからなのかもしれません。

私の妻も仕事を探す際、給与や勤務時間の細かい条件については、面接で伝えられることが多かったです。

例えば、こういうケースもありました。

  • 定時:10時30分~20時30分
  • 休み:週休1日
  • 給料:月120万ウォン(約12万円)

週休1日だと、1ヶ月で最低でも実働25日以上となります。

また、こちらのお店は、小売店で一人でいないといけないため、お昼の時間は別に取る事が出来ず、実働10時間となります。

そうすると一ヶ月の労働時間は250時間、時給に換算すると、4,800ウォン(約480円)です。

最低賃金を守らない会社が多い理由

最低賃金を守らない会社が多いというのは、私が周囲の人達の話を聞いて分かって来たことなのですが、最低賃金を守らない会社の実情についてまとめた記事も探してみたらありました。

その記事によると、

  • 韓国で最低賃金を守らない会社の割合は11.5%で日本の約6倍
  • 最低賃金未満率が最も高いのは、宿泊・飲食業で35.2%
  • 企業規模別にみると、1~4人の会社では未満率が27.9%
  • 19歳以下と60歳以上で最低賃金をもらえていない人の割合が多く、特に19歳以下だと最低賃金の未満率が53.9%

というデータが出ていました。

また、最低賃金を守らない会社が多い理由としては、

  • 景気低迷で最低賃金の引き上げに対応出来ていない中小企業・零細企業が多い
  • 最低賃金のルールを守らない企業に対する監督や処罰が適正に行なわれていない

という2点が挙げられていました。

実際、私の感覚からすると、たとえ最低賃金が守られていなくても、まだ仕事があるだけいいのかもしれないという気持ちさえ湧いてくることがあります。

韓国での仕事探しは本当に大変だからです。

もちろん、そういった会社に対しては、しかるべき機関に報告して是正してもらうことも必要なのかもしれません。

しかし、妻に聞くと、そこで賠償金をもらえたとしても、1ヶ月の給料に満たないレベルなんだそうです。

逆に、労働者は、そのタイミングで仕事を失ってしまうので、自分の首を絞めるだけの結果に終わってしまいます

もちろん、最低賃金のルールを守らない企業に対する罰則を強化も重要かもしれません。

ただ、それと同時に労働者が守られる環境作りも必要不可欠なのだと思います。

経済政策は本当に難しい

今、韓国では、最低賃金をアップするとか、公務員を大幅に増やすとか、いろいろな話が出ています。

でも、韓国の経済状況や、財源や景気状況を考えずに経済政策をやってしまうと、逆に大きな混乱を引き起こす可能性があります

そういった意味で、経済政策って本当に難しいですよね。

今の感じで行くと、韓国経済は、近い将来、かなり大変なことになってしまうかもしれないと、ちょっと心配している今日この頃です( ̄ー ̄;

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